2011-12-31

大晦日に....



2011年も残りあと数時間....大晦日の今日になってようやくアトリエの大掃除をすませ、今年最後のブログを書いています。
予期せぬ災厄に見舞われた今年は、心の痛くなる事の多い年でした。自分に出来る事のわずかさを実感しながらも、せめて美しいものを創りだし、お目にかける事でひととき笑顔になって頂けたら...と、改めて“デザインすること”の意味を考えた時期でもありました。


また、自分とアトリエについてこの一年を振り返ってみますと、やはり大きかったのは国内外で企業ブランドのジュエリーを手がけさせて頂いた事。これまでもプランニングからデザインまでトータルでご提案する事はありましたが、クリエイティブ・ディレクションという立場でブランドイメージ全てをコントロールする仕事と向き合い、デザインだけでなく様々な要素のバランスをとりながら、言葉や習慣の異なる人達と一つの目的に向かって進んでゆかねばならない難しさやワクワク感、新しい発見もあったりと、とてもスリリングな日々を体験する事が出来ました。


そしてアトリエの方も、おかげさまにてクチュールジュエリー、それもハイエンドのゴージャスな一点ものをご注文頂く機会が増えました。工房の職人さん達も試行錯誤しながら製作することで、大胆で複雑なフォルムをイメージ通りに削りだしたり、石のセッティングが美しく見えるまで何度もチェックを重ねたりと、製作におけるイメージの伝達が格段にレベルアップしたように思います。どんなに微細な違和感でも「(私が)納得しないものはお客様には出せない」と何度でも手直ししてくれる職人さん達の心意気には本当に頭が下がります(>_<)...






こちらは今年のクリスマスに納品させて頂いた、ピンクグラデーションのリング。お持ちのオレンジピンクのオーバル石の両側に、ルビーとピンクサファイア、アメジストをグラデーションで配しています。石がまるでベリー(木の実)のように、リング部分から溢れそうになっている感じを表現したかったので、かなり際まで石を敷き詰めた繊細なセッティングになっています。




そしてこちらは、レースの繊細なフリルをプラチナとダイヤモンドで表現したリング。イメージを伝えるミーティングで最も難航しただけあって、出来上がった時は職人さん達も私も「やった....完成〜!!!
(感無量)」となってしまい、もちろん顧客様もとても喜んで下さった思い出深い一点です。

 

来年も、沢山のご縁を大切にしつつ、美しいジュエリーを皆様のお手元に届ける事が出来ますように。どうぞ良いお年をお迎え下さい*










2011-12-19

Flowers Christmas Party*



Last weekend, we attended the Nicolai Bergmann's Christmas party♪
Nikolai's flower arrangements made me feel as if forming a huge dense of plant's energy.....and his demonstration, it was so exciting!  


すっかりクリスマスモードな年の瀬ですが、毎年この時期は制作のピークとなる為、スケジュールは工房とアトリエの往復ばかり....
という週末に、友人から一足早いクリスマスパーティのお誘いが♪
フロリストのニコライ・バーグマン氏主催のこのパーティ、ご本人のデモンストレーションも予定されており、これはぜひ拝見せねばと
ワクワクしながら青山の旗艦店へ。

流暢な日本語でトークをしつつ、スカビオサや紫陽花をグリーンでまとめたブーケ、色とりどりのラナンキュラスを並べた上に松葉を散らしたアレンジ、50本ものチューリップを束ねたブーケ等々....どれも10分程であっという間に完成してゆくニコライ氏のパフォーマンスと、どこまでも密度の高い花のブーケには本当に圧倒されてしまいました。










And my favorite arrangements:
Some of cloud of pine needles and white delicate flowers, using a small deadwood as a base... so poetic, and looks avant-garde*



素敵だったのが、枯れ木の鉢植えをベースに、球状にまとめた松葉とコデマリでしょうか、小さくて白い花をあしらったアレンジメント。斬新かつ詩的なアプローチにイマジネーションが刺激されます....(*w*)






デモンストレーションを堪能した後は、会場でワインやフィンガーフードを頂きながらの楽しいひととき。沢山のお花やグリーンに加え、枯木のオブジェや苔、天井からリボンで吊るされた松ぼっくり等で埋め尽くされた会場は、まるで森か洞窟の中に迷い込んだように不思議な雰囲気で、美しい植物達からエネルギーをもらったような気分でした♫


      




お土産に頂いたボックスアレンジメント。アトリエに飾って楽しんでいます♡ リフレッシュさせてくれた友人に感謝....♪




2011-12-14

祖父のタキシード



少し前の出来事ですが、帰宅すると自宅に大きな荷物が届いていました。中には年季の入った英國屋の衣装箱がいくつか。カドもぶつけたり剥落していて、かなり昔のもののよう....




ぼろぼろの箱を開けると出てきたのは、沢山のオーダースーツと、フレンチメゾンのタキシードに蝶ネクタイ、クロスタイにカマーバンド。何と数十年前に祖父が着用していたタキシードや小物達だというのです。

家族に聞いた話ですが、真珠の宝飾ビジネスを手がけていた祖父は、サロンでパーティ等を開催し(今で言う催事でしょうか)このタキシードを纏ってマダム達をおもてなししていたのだそう。祖父が亡くなった時、形見分けで遠縁の親族の所に渡ったものの、当時はさすがに普段使いできるアイテムではなかったせいか一度も使われずに仕舞われており、今年になって私の手元に届けられたのでした。





私が大きくなる頃に祖父は既に引退していましたので、華やかなタキシード姿を見た記憶は残念ながら残っておりませんが、香水を好んで使っていたり、大柄のスカーフやタイ、帽子やステッキを幾つも持っていた "伊達男" のイメージは子供心にも何となく残っています。存命だった頃には、まさか私が自分でアトリエを開くとは夢にも思わなかったであろう祖父の小物達を身につけて、私も顧客様をお迎えしてみようかしら....*