4月の誕生石ダイヤモンド。ラテン語でADAMAS(屈せざるもの)という名が付く程に硬い宝石で、研磨するには同じ硬度であるダイヤモンドの粉を用いて原石にファセットと呼ばれる面を施し、石の内部で光を反射させて眩い輝きを生み出します。
その圧倒的な美しさと不変性から「変わらぬ愛を伝える石」として婚約指輪や記念日のジュエリーに選ばれる機会の多い宝石です。
今回アトリエで御依頼を頂いたのは、結婚20周年の記念にご主人から奥様へ、サプライズでダイヤモンドの指輪をお贈りしたいというもの💝先ずはヒアリングにてご希望の詳細を伺います。
サプライズでジュエリーを贈り物にされる場合、心配になるのはオーダーしたジュエリーのデザインが受け取る方のお好みに合うか否かという点です。日常的にジュエリーを着けて楽しまれる奥様とのことで、デザインはお好みを伺って製作に入るのがベストと判断し、ダイヤモンド・ルース(裸石)でのサプライズをご提案させて頂きました。
先ずはメインストーンとなるダイヤモンドを幾つか業者からピックアップ。
真円のラウンドカットは婚約指輪のイメージが強い為、今回は敢えてファンシーカットと呼ばれる形状のダイヤモンドを選定いたしました。
その中からご主人にお選び頂いたのは、正式名称「カット・コーナード・レクタンギュラー・モディファイド・ブリリアント(長い!!)」通称ラディアント・カットと呼ばれるシェイプのルース。ラディアントとは放射線の意で、宝石のシルエットはエメラルドのような八角形ながら、輝き方がまるでラウンドカットのようにギラギラと反射する複雑なカットです。カラーは最上級のDカラー、クラリティ(透明度)もVVS1と申し分の無い美しさ。
そしてダイヤモンドの両脇にはご夫婦のお子様二人の誕生石をそれぞれ並べ、サプライズボックスをセット。20周年の結婚記念日にデザインスケッチと共に奥様にお渡しされるとのことで、我々もドキドキしながら当日を待ちます。
サプライズ成功のご連絡を頂戴し、ほっと一安心。ここからは奥様のご希望を伺いながらリングのデザインを修正してまいります。写真はMock(模型)の段階。まだダイヤモンドが縦の配置、リングのボリュームも少しスリムです。
デザインを変更し、プラチナでリング本体を製作します。リング腕のダイヤモンドは先に留め、爪留めする枠の内側を磨いてから中心の3石をセットする前にフィッティング。サイズの微調整を行い、いよいよメインストーンを留めてゆきます。
ダイヤモンドを挟む色石は、スカイブルーのトパーズとベビーピンクのトルマリン。異なる色の宝石を配置する際には色のトーンを合わせる事がとても重要になり、センターのダイヤモンドの下ギリギリにサイドストーンをセットすることでそれぞれの色がダイヤモンドに干渉し、ダイヤの白をより青っぽく、美しく印象づけてくれるのです。
「不変の愛」を表すダイヤモンド、その両サイドにお子様方の誕生石、そしてリングの内側にはメッセージを忍ばせた、ご家族の"The Shape of LOVE"(愛のかたち)を体現するリングとなりました💖