2017-11-14

石の芸術、音の芸術

週末は久々に帰国されていた宝石業者さんの所へお邪魔し、カラーストーンの買い付けを。来年の新作向けに色々選んでまいりました^^
大きな石はまた別の機会にご紹介することにして、今回は"バフトップ" と呼ばれる、石を側面から見た際に上側がつるんとしたカボションカット、下側はファセットの入った多面体のものを選定しているスナップを載せてみました♪




このバフトップやカボションカット、特にサイズの小さなものは納得のいくクオリティでなかなか出て来ないので、こちらで見つけた時に大人買い(笑)* 
鮮やかなグリーンガーネットをはじめタンザナイトやアメジスト、様々なカラートーンのサファイア。シェイプとサイズを決めて次々と見てゆきます。




色石のトーンを揃えるのに集中していますと、あっという間に3〜4時間は過ぎていてびっくり(*o*); 美味しい珈琲で休憩を取りつつ、もうひと頑張り。




仕入れを大方済ませたところで月末に行く香港&中国の情勢やマーケット動向など伺いつつ、話の流れで社長さんのルースコレクションを見せて頂くことに。

金庫の奥から出てきたのはドイツの宝石彫刻家 ムーンシュタイナーの山吹色と紫色がモザイクのように複雑に生成されたアメトリンや、今ではアジアで最も知られるジュエラーとなったウォレス・チャンによるブルートパーズのインタリオなど、見ていると吸い込まれそうな美しいルースの数々。ウォレス氏が1980-90年代に製作している作品の中で髪や衣服のプリーツに至るまで繊細に表現された彫刻作品も王道の美しさでしたが、何とはなく心惹かれたのは、ラリックのガラスオーナメント連想させるこちらの一点。女性の柔らかい横顔と髪の大胆な装飾のコントラストが見事です。
角度によって、表情が憂いを帯びたり笑みを浮かべているように見えるのがとても魅力的で、芸術作品と言われる所以を感じさせます*

(☆こちらの彫刻は11/18のトランクショーにてご覧頂くことが出来ますので、ご希望の方はお気軽にお知らせください^^)







そして夜はピアニスト 幡谷幸子さんのリサイタルにSALONE FONTANAへ。1814年製のブロードウッド社スクエアピアノでJ.C.バッハやクレメンティを、1900年代製ベーゼンドルファーでヤナーチェクを演奏されるという贅沢な趣向のもと、それぞれのピアノの特性が際立つ素晴らしい演奏を堪能いたしました♡

チェンバロからピアノへの移行期に製作されたというスクエアピアノの、繊細で鉱石のように澄んだ音色は、弦が内部で交差していないために一音一音がクリアーに響くのだそうです。扇状に張られた弦の何とも美しいこと.....19世紀のままの空気を纏っているかのような、室内に置く為の優雅さを備えた装飾も見事でした。

そしてスクエアピアノと比較すると、いかにも遠投型パワープレイに適した楽器という感のあるグランドピアノ。間近で聴くベーゼンドルファーの音の迫力はとてつもなく、脚や機構部分のデザインも頑強そのものという印象を受けます

終演後には鑑賞にいらしていた音楽家の方達と一緒に、畏れ多くもピアノに触らせて頂ける幸運も(*o*)♡ ベーゼンドルファーとスタインウェイのタッチの違いなど、ピアニストさんならではのお話も聞かせて頂けた貴重なひと時となりました♫